防災を「楽しくしっかり学ぶ」 -イザ!美かえる大キャラバン!2018 in 神戸ー

ハート防災Jです。神戸取材の目玉「イザ!美かえる大キャラバン!2018」にやって来ました。イザ!カエルキャラバンは、震災後10年の記念事業として2005年に神戸でスタートし、今では全国各地で行われている防災イベント。

コンセプトは、防災をもっと身近に、もっと楽しく。家族や友達と楽しみながら防災知識が身につくのが人気の秘密です。

参加は無料、誰でも自由に参加できます。会場は神戸の新都心「HAT神戸」内のJICA関西、人と防災未来センター。近くには兵庫県立美術館も。

「イザ!カエルキャラバン!」は、地域の防災訓練と、美術家藤浩志さんが考案したおもちゃ交換会「かえっこバザール」を組み合わせた防災イベント。開催当初は、お茶らけてるなど風当たりも強かったそうですが、楽しみながらしっかりと防災を学ぶことができる機会として神戸に根付き、今年で13回目の開催となります。

運営するのは、NPO法人プラス・アーツ。「防災」「教育」「まちづくり」などの分野において、既成概念にとらわれないアート的な発想や想像力で、課題解決や活性化、新たな可能性を追求することを目的としています。理事長の永田さんが、2005年の第1回イザ!カエルキャラバン!を実施したことをきっかけに発足しました。

開催当日は雪が舞う寒い日でしたが、会場は家族連れを中心に子どもからお年寄りまでいっぱい。防災というと硬いイメージが先行しますが、「えっ!これが防災イベント?」という感じで、笑顔と熱気に包まれていました。

会場内の様子をレポートします。

どれにしようかな~。ポイントと交換できるおもちゃを探します。

おもちゃ交換の流れは、①遊ばなくなったおもちゃを持ってきてカエルポイントと交換。②防災プログラムに参加したり、お手伝いしてもポイントがもらえます。③そのポイントで会場内にあるおもちゃと交換します。

持ってきたおもちゃを、かえっこバンクでポイントに。なかなか、まあまあ、そこそこ、でポイントが変わります。ちょっとした表現にも遊びゴコロが。

会場のいたるところで、クイズ形式、ゲーム形式の防災プログラムが行われています。

毛布で担架タイムトライアル 子ども達真剣です。

ジャッキアップゲーム ナマズ(地震)で下敷きになったカエルさんを、どうやって助け出そうかな。

すごろく遊びでぼうさい学び 孫と一緒に防災知識を学ぶ、おじいちゃん、おばあちゃんも数多く見かけました。

その他にも、歌や紙芝居、ゲーム等、いろんな切り口で防災を学ぶコーナーがあります。

和歌山大学災害科学教育センターのトイレが大変プログラムコーナーでは、新聞紙、ペットシート、レジ袋を使ってmyトイレを作成。楽しみながらどんどん知識が膨らみます。

イベントの運営主体はプラス・アーツですが、学生やボランティア、団体、色んな方たちが参加し、各コーナーを構成。

神戸市中央消防署の人達もイベントを盛り上げます。

水消火器で的当てゲームの的もカエルさん。イザという時にこの経験が活きてきますね。

2005年のスタート当初からある定番コーナーから新コーナーまで、JICA関西の1F~3Fで、20を超えるプログラムが実施されています。BOSAIキッチンは、今回初登場の目玉企画。順番待ちで実際に作ることはできませんでしたが、中の様子を見させていただきました。

災害時の食料備蓄の為に、「非常食」と「いつもの食」のボーダーを消してみようという試みで、お鍋とポリ袋でBOSAIレシピづくりを行います。

材料となる、栄養満点、調理が簡単な非常食の紹介。

お皿の代わりに紙の容器を作り、耐熱性ポリ袋を使った調理で、

炊き込みご飯、かぼちゃの豆乳スープ、ユニバーサルチョコの完成。ポリ袋恐るべし。

スタンプラリーも開催していて、各コーナーを回ってスタンプを集めるとガラガラ抽選に挑戦できます。魅力的な景品が揃っていました。とにかく、色んな工夫で防災を楽しく学ぶ仕掛けが満載です。

イザ!カエルキャラバン!で行われている防災プログラムは、阪神・淡路大震災の被災者に聞いた生の声がベースになっています。困ったこと、知ってて良かったこと、防災訓練に期待することなど。理事長の永田さんが、「防災はまちづくりと同じで、コミュニケーションとブランディングが大事」と言っていました。名前を聞いても防災イベントってわかりませんが、ここに来れば防災を学べる。それでいいんだ、と思いました。

驚くのは、人でいっぱいなこと。そして、遊び感覚で楽しみながらも真剣な子どもたちの顔。親なら、自分たちの命を守る防災知識を楽しく学ぶ場があれば、子どもと一緒に参加したいですよね。

防災を学ぶためには、楽しさや遊びゴコロ、ネーミングやデザインの面白さが必要だと感じました。そして、スタッフ自身がそのプロセスを楽しみながら、毎回工夫改善を繰り返していくこと。人が集まらなければ、そこから何も産まれないですから。

静岡で開催される日が来ることを期待しましょう。

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